裁判例一覧 NO21~30

NO 21
日付、出典 横浜地裁
H19.3.29
自保ジャーナル第1696号
年齢、職業、性別 19歳・女子・大学生
自賠責等級 高次脳機能障害5級2号
比較基準喪失率 79%
本判例等級 不明
本判例喪失率 79%
裁判所の判断ポイント ①集中力が持続せず、検査も途中でやめてしまうなど注意障害が認められる
②視覚・聴覚いずれの刺激の記憶も低下しており、記憶力には制限が認められるなど記憶障害が認められる
③衝動的に行動することがあるため計画的な買い物ができないなど遂行機能障害が認められる
④自身の感情をコントロールできず、対人面においてトラブルを起こしやすいなど対人技能に劣っている
⑤いったん思い込むとその内容を修正することが困難であるなど固執傾向が認められる
⑥反応に時間がかかるなど情報処理速度が低下していることから、生活に介助を要する状況が終身続くものと見込まれる
原告の主張 79%
被告の主張 争う
NO 22
日付、出典 前橋地裁高崎支部
H18.9.15
自保ジャーナル第1686号
年齢、職業、性別 17歳・男子・高校生
自賠責等級 高次脳機能障害5級2号
比較基準喪失率 79%
本判例等級 自賠と同じ
本判例喪失率 79%
裁判所の判断ポイント ①原告が家庭内で問題になる軋轢を生じさせることはなく、一定の社会参加が可能である
②単純繰り返し作業などに限定すれば一般就労も可能であるが、新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるといった問題がある
原告の主張 ①知能の大きな低下はみられないが記憶障害・記銘力障害は極めて重篤であること
②本件後遺障害は単純繰り返し作業に限定すれば原告に一般就労を可能とさせる程度のものであるが、新しい作業の学習ができなかったり、環境が変わると作業が継続できなくなること
から、原告の障害は5級2号に該当すると主張した。
被告の主張 ①原告が本件事故後に大きな回復をみせ、自転車通学や単独での外出が可能となり、高校を卒業して専門学校に入学していること
②診療録や各種検査記録から記銘力障害に回復が認められること
③医師が就労能力の改善を裏付ける診断をしていること
④性格変化もそれに伴う不穏な言動もなく、日常生活において近親者による介護あるいは介助が必要な場面は一切認められないこと
から、本件後遺障害は7級相当程度であり労働能力喪失率は56%程度と主張した。
NO 23
日付、出典 名古屋地裁
H17.6.3
自保ジャーナル第1629号
年齢、職業、性別 17歳・男子・高校生
自賠責等級 高次脳機能障害5級2号
比較基準喪失率 79%
本判例等級 自賠と同じ
本判例喪失率 79%
裁判所の判断ポイント ①事故後にアルバイトに復帰しているが、他の従業員と比べ労働能力が劣っており、新しい仕事を覚えることができないなど部分的な仕事しかできない
②リハビリセンター病院からの回答
原告の主張 5級2号。79%
被告の主張 ①事故後、大学生活を送ったり、アルバイト(ケンタッキーフライドチキンの厨房)として稼動できるまでに回復していること
②仮に原告が仕事を行なううえで何らかの支障が生じるとしても、作業効率や作業持続力などに問題があるにすぎないことから、原告の後遺障害は9級10号が相当であり、労働能力の制限も35%を越えるものではないと主張した。
NO 24
日付、出典 名古屋地裁
H17.2.9
自保ジャーナル第1603号
年齢、職業、性別 27歳・男子・会社員(配置転換されているものの復職)
自賠責等級 高次脳機能障害7級4号、左下肢機能障害10級7号、左足指機能障害11級10号(併合6級)
比較基準喪失率 67%(6級相当)
本判例等級 自賠と同じ
本判例喪失率 67%
裁判所の判断ポイント 注意力障害、記銘力障害、言語性記憶障害(意味記憶の障害、見当識障害、短期記銘力障害)はある。
びまん性軸索損傷に伴う変化として、記銘力障害、言語性障害が認められる。
原告の勤務する会社の社長が後遺障害により仕事に支障が出ていることを具体的に述べており、それらの事情は検査結果等にも整合する。
外傷性てんかんの裏付けとなる他覚的所見等がない。過去にてんかんの発作が出現したことがあるとしても、現在はてんかんについては投薬により管理されている。
てんかん治療を受けていることは慰謝料で考慮する。
原告の主張 高次脳5級2号、左腓骨頸骨10級11号、左下肢短縮10級8号(併合3級)てんかんの症状があるからより労働能力が制限される。
被告の主張 7級4号(併合6級)より下。
NO 25
日付、出典 東京地裁
H15.8.26
自保ジャーナル第1520号
年齢、職業、性別 31歳・女子・有職主婦
自賠責等級 高次脳機能障害7級4号、外貌醜状7級12号(併合5級)
比較基準喪失率 56%(7級相当)
本判例等級 自賠と同じ
本判例喪失率 56%
裁判所の判断ポイント 喪失率では高次脳機能障害だけ考慮し、外貌醜状については慰謝料で考慮した。
平成11年8月2日時点での医証により、9級10号に該当すると判断されたが、新たに提出された画像検査資料などの医証によれば、11年当時は必ずしも判然としなかった脳外傷による高次脳機能障害が残遺していることが明らかになったことから、14年4月4日(訴訟提起から3、4年後)を症状固定日として扱うことが妥当と判断する。
原告の主張 不明
被告の主張 7級4号。56%以上。
NO 26
日付、出典 東京地裁
H17.12.21
自保ジャーナル第1637号
年齢、職業、性別 44歳・女子・パート主婦
自賠責等級 高次脳機能障害9級10号、眼瞼障害12級2号、聴力障害14級相当、外貌醜状12級14号(併合8級)
比較基準喪失率 35%(9級相当)
本判例等級 自賠と同じ
本判例喪失率 35%
裁判所の判断ポイント 喪失率では高次脳機能障害だけ考慮し、それ以外の障害については慰謝料で考慮した。医学的に知能低下や明らかな人格変化については証明されているものとは認め難い。
経時的に撮影された頭部画像についての検討では、脳萎縮、脳室拡大等の変化はなく、脳実質を損傷したとする明らかな所見はみられなかった。
原告の主張 高次脳7級4号、眼瞼障害12級2号、聴力障害14級相当、外貌醜状7級12号(併合5級)。79%。
被告の主張
NO 27
日付、出典 京都地裁
H16.3.10
自保ジャーナル第1572号
年齢、職業、性別 28歳・男子・司法試験浪人
自賠責等級 高次脳機能障害9級10号
比較基準喪失率 35%(9級相当)
本判例等級 自賠と同じ
本判例喪失率 35%
裁判所の判断ポイント びまん性脳損傷に起因した記銘力が若干低下し、1回の刺激で記憶できる量がいくぶん減少したこと、画像所見上も軽度の脳萎縮が窺われることからすると、9級10号に該当する。
原告の記銘力等の脳機能が正常範囲にあったこと、原告が1人暮らしをしていたこと、原告は本人尋問の際、質問に対し概ねその意味を十分に理解した上、適切な回答をしていたことからすると、7級4号にはあたらない。
画像所見上軽度の脳萎縮が窺われることに鑑み12級程度の障害にはあたらない。
原告の主張 7級4号。56%
被告の主張 12級程度 
びまん性脳損傷の程度は中程度のものであって、一般の就業や日常生活に大きな支障を来すような重篤なものではなかった。
NO 28
日付、出典 横浜地裁
H15.7.31
自保ジャーナル第1520号
年齢、職業、性別 29歳・男子・会社員
自賠責等級 高次脳機能障害不明
複視12級
比較基準喪失率 なし
本判例等級 高次脳機能障害5級2号、複視12級(併合4級)
本判例喪失率 92%
裁判所の判断ポイント ①記銘・記憶力障害、知能低下・易怒性・暴力行為などの感情障害が認められること
②解雇されたことを認めるに足りる証拠はなく、仮に高次脳機能障害による作業及び環境への適応困難さを原因として解雇されたのが事実だとしても、その一事をもって「終身労務に服することはできない」と評価することはできない
原告の主張 ①状況に応じた衣類の選択ができなかったり、身体を拭かずに服を着てしまったり、トイレに行くのが間に合わず大小便を失禁してしまうことがままあること
②電車に乗ることはできるが切符を買うことができないこと
③電話での応対や来訪者との応対・初対面との人とのコミュニケーションには制限があること
④感情の起伏が激しく、怒りっぽく、話したいときに聞いてもらえないと暴言を吐いたり突っかかってきたりすること
⑤作業速度の遅さや職場での人間関係維持の困難さなどから公的施設での皿洗い作業を解雇となったこと
から、原告の高次脳機能障害の程度は3級3号に該当し、喪失率は100%であると主張した。
被告の主張 79%
NO 29
日付、出典 名古屋地裁
H12.10.18
自保ジャーナル第1387号
年齢、職業、性別 21歳・男子・大学生
自賠責等級 高次脳機能障害不明
比較基準喪失率 なし
本判例等級 高次脳機能障害5級2号
本判例喪失率 79%
裁判所の判断ポイント ①原告が脳外傷を原因とする脳の機能障害により一般通常人と比較して著しく労働能力、特に社会生活能力が低下したことは明らかである
②公共交通機関を利用して単独で病院に通院することが可能となっている。
③民間会社に障害者雇用として1年間の契約社員として勤務を始め、目立った遅刻・欠勤等もなくパソコンの入力作業に従事して25歳で時給1500円程度の給与を得ている
④正社員にはなれなかったものの契約の更新がなされて勤務を続けている
⑤自動車の運転が可能である
原告の主張 本件事故により生じた記憶障害・思考障害によって状況判断能力を失ったため、原告は社会に適応することができず就労の可能性は閉ざされているとし、高次脳機能障害は後遺障害等級3級3号に該当すると主張した。
被告の主張 準社員待遇とはいえ就労しており、あるいは就労可能な障害程度であり、これを後遺障害等級3級とは認定できないことは明白であり、後遺障害等級5級2号に止まるものであると主張した。
NO 30
日付、出典 大阪地裁
H6.4.28 交通民集27巻2号534頁
年齢、職業、性別 43歳・男子・タクシー運転手(再就職した)
自賠責等級 不明
比較基準喪失率 なし
本判例等級 高次脳機能障害9級10号
本判例喪失率 35%
裁判所の判断ポイント CT、MRIの像からは必ずしも脳損傷、神経系統の損傷が明確に読み取れない場合であっても、実際には、脳・神経に機能的障害が存し、現実にかなりの神経症状が生じうることもまれではないことは周知の事実である。
本件においては、受傷部位が脳挫傷等である上、頭部CT、MRI上、左前頭葉、右側頭葉に脳挫傷が、脳波検査でも棘波、徐波がそれぞれ認められる。
よって、一般人の経験判断に照らせば、自覚症状は本件事故と因果関係を有する高度の蓋然性があるとみるのが相当と判断する
再就職し相応の収入を得ている。
原告の主張 7級4号          
被告の主張 12級

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